大企業が相次いで副業を解禁する中、「パラレルキャリア」という働き方に注目が高まっています。
なんとなくその言葉を聞いたことがある人が増える一方で、詳しいことはよく分からないという人が多いのではないでしょうか。
アコ
そこで、転職エージェントでの勤務経験を持つ私アコが、パラレルキャリアの第一人者に色々と疑問をぶつけましたよ。
今回お話しを伺うことが出来たのは、パラレルキャリア推進委員会代表の美宝れいこさん。
あなたは、こんな風に感じたことはありませんか?
そんな人にはぜひ、パラレルキャリアという考え方を知って、実践してもらえたらと思います。
この記事では
などなど、パラレルキャリアを始めたい人・興味がある人に向けて、美宝さんに詳しいお話を伺うことができました。
記事を読んでいるあなたが、パラレルキャリアに向かって一歩踏み出すきっかけになったら嬉しいです。
このページの目次
アコ
本日はよろしくお願いします。
美宝さん
こちらこそ。たくさんの人にパラレルキャリアを知って欲しいので、なんでも聞いてくださいね。
アコ
早速ですがパラレルキャリアを実践している人って、どんな人が多いのですか?
美宝さん
様々な方が活躍していますが、大きく分けると二通りですね。
アコ
二通りとは?
美宝さん
一つは、『今の会社や働き方に不満がある人』
もう一つは、『今の会社に不満はないけれど、もっと自分を活かしたいと思っている人』
ですね。
アコ
どちらもたくさんの人があてはまりそうですね。
もう少し詳しく教えて頂けますか?
沢山の人が実践しているパラレルキャリア。
では、パラレルキャリアとは一体どんなことを指すのでしょうか?
一言で表すと「本業の他に、第二のキャリアを築いていること」です。
P・Fドラッカーが『明日を支配するもの』という書籍で紹介した考え方になっています。
「パラレルキャリア」とは、ピーター・ドラッガーが提唱した考え方で、これからの社会に求められる人間のタイプは、『自分に責任を持ち、特定の組織に依存しない人たちだ。そして、自分のキャリアは自分で決める人たちだ』と述べている。具体的には、本業以外に、非営利組織を立ち上げたり、ボランティアをしたり、大学院に入って学び、新しい視野を持つことなどを奨励している。「二足の草鞋をはく」という言葉がぴったりくるが、どうやら、ドラッカーの「パラレルキャリア」は、二足どころか、三足、四足の草鞋をはくイメージである。
ー内閣府男女共同参画局『男性にとっての男女共同参画コラム「パラレルキャリア」のすすめ』より
パラレルキャリアではお金を得るだけを目的とはしていません。
簡単に表現するならば、副業の目的は「副収入」で、パラレルキャリアの目的は「キャリア」となります。
パラレルキャリアの目標となるのは「スキルアップや夢の実現」や「社会貢献活動」です。
そのため、本業で培ったスキルをボランティア活動に活かしていく「プロボノ」もパラレルキャリアの一つになります。
画像引用:東洋経済『ライフシフト・学び直し編』より
美宝さん
パラレルキャリアという言葉が生まれたのは1999年のこと。もう20年以上も前のことなんです。
でもパラレルキャリアが注目されてきたのは、この2~3年です。
アコ
なぜ今になって、パラレルキャリアが注目され始めたのでしょうか?
美宝さん
順を追って説明していきますね。
平均寿命が延び、人生100年時代と言われるようになりました。ですが、定年退職の年齢は相変わらずの60歳。
パラレルキャリアの生みの親、P.F.ドラッガー氏は著書の中でこのように言っています。
歴史上初めて、組織より人間の寿命が長命になったため、第二の人生をどうするか考える必要が出てきた。
ーP.F.ドラッガー著『明日を支配するもの』より
その他、ベストセラーになった『WORK SHIFT』の本の中でも、人生は「教育・仕事・老後」の3ステージを順番に進む時代から、「教育・仕事・エクスプローラー(自分探し)・インディペンデントワーカー(個人事業主)・ポートフォリオワーカー(本業+副業)」のマルチステージを行ったり来たりする時代になったと言われています。
また終身雇用や年功序列が崩壊し、大企業は次々と40代での早期退職者を募るようになっています。
みずほフィナンシャルグループ 1万9000人
三菱UFJ銀行 6000人
三井住友銀行 4000人
東芝 7000人
パイオニア 3000人
富士通 5000人
NEC 3000人
さらに今回、損保ジャパン 4000人
ベテラン社員をターゲットにした、早期退職や転籍などのリストラがとめどなく広がっています。しかも“魔の手”はバブル世代から、「きっとこの先いいことがある」とかすかな希望を持つことで耐えてきた40代の氷河期世代にまで伸びてきました。
寿命が延びているのに会社を頼りにすることが出来ない今、自分のキャリア設計を自分で設計する必要性が高まっています。
会社が守ってくれるのは会社で働いている時だけ。自分のキャリアを守れるのは、他でもない自分だけなんですね。
つまりこれからの時代においては、パラレルキャリアはキャリアを考える上で必須とも言える考え方なのです。
会社から離れて社会の中で自分一人。
そこでマーケットを開拓し、自らを発信していくことで、本業のキャリアアップにもつながる人が続出しています。
パラレルキャリアを実践することは会社以外の仕事で収入の得るのみならず、本業のキャリアアップにつながることが多く、大変注目されるようになっています。
アコ
副収入を得ることだけではなく、
間接的に収入がUPするきっかけになることも珍しくないのがパラレルキャリアの面白いところですね。
アコ
パラレルキャリアは本当にメリットが多く、やらないのはモッタイない感じがしますね。
これから取り組みたい人は、何から始めたら良いのでしょうか。
美宝さん
まずは自分を棚卸することですね。
自分史を作ると良いと思います。
アコ
自分史ってどうやって作るんですか?
美宝さん
自分の歴史を幼少時代から細かく区切ります。
幼少時代、小学校低学年、小学校高学年、中学時代・・・社会人1年目のように。
それから、各時代を振り返っていきます。
自分史で振り返ること
アコ
これをやることでどんなことが見えるのでしょうか?
美宝さん
共通点が見えてくるんですね。
自分がワクワクしてきたこと、周囲から評価されてきたことについて。
アコ
なるほど!
可視化することで、明確になりますね。
美宝さん
実際に一緒に整理してみると
「こんなことをサービスにしてお金にすることが出来るんだ!」
という発見があったりします。
自分のことは自分が良く分かっているはず。
でも、案外見逃しているポイントがあるものです。
特に幼少時代~子供時代は損得勘定なしで動いているので、本当に自分の感情がワクワクと動かされるポイントが眠っている可能性がありますね。
全て可視化することで、新しい自分が発見できそうです!
自分史で棚卸をすることはMUSTと言えますね。
アコ
他にも何かありますか?
美宝さん
小さなステップで良いので、動き始めてみることですね。
美宝さん
例えば
ということが出来ると思います。
アコ
まずビジネスの形を決めなくても良いので
実際に動いてみるということですね。
アコ
セミナーや交流会には、どんな人たちが集まっているのですか?
美宝さん
本当に多種多様なんですよ。例えば・・・
■セミナー参加者のみなさんは・・・
*お給料以外に副収入が欲しい!
*会社では評価されない才能をもっと活かしたい!
*会社に頼らず自分の力でも稼いでみたい!
*一生会社員しかない。という将来の不安から解消されたい!
*色々なことに挑戦し、やりがいの感じる人生を手に入れたい!
*ただの会社員から卒業したい!
*会社員を続けながら起業してみたい!
*まだ発掘されていない自分の可能性を見つけたい!
*誰かの役に立てる自分になりたい
*新しい生き方を見つけたい
アコ
本当に様々ですね。
私も一度は考えたことがあることばかりで、身近なことなんだなと思います。
受講生さんはどんな風にパラレルキャリアに踏み出してますか?
美宝さん
セミナーや交流会に参加すると・・・
■セミナーや交流会で得られるもの
*会社員以外の働き方を知ることができる
*自分の活かし方がわかる
*会社や友人や家族以外の色々な分野で活躍している人とつながることができる
*副業解禁時代の乗り越え方がわかる
*会社員給料+@の収入が手に入る方法が見つかる
*会社員を続けながら起業する方法がわかる
*会社にバレずに起業をスタートさせる方法がわかる
*自分で気が付いていないスキルや才能の可能性を見つけることができる
*退屈な会社員生活が充実した人生へと変わる
*将来の不安から解放される
アコ
みなさんすごく素敵な笑顔!
美宝さん
好きなことに取り組んでいると自然と輝きますよね。
実際に取り組んでいる人たちはたくさんいるようです。
SNSで探してきましたよ。
アコ
決まった形が何一つなく、それぞれの形で輝けるのが
パラレルキャリアの素晴らしい点ですね。
美宝さんのお話を伺っていると、パラレルキャリアは本当に必要で早くやってみた方が良いと思ってしまいますね。
ですがここで一度、パラレルキャリアのメリットとデメリットを整理しておきたいと思います。
アコ
実際にパラレルキャリアで活躍している方はどんなメリットを感じてますか?
美宝さん
沢山あるのですが、具体的な例はこんな感じですね。
メリット
美宝さん
中にはライティング能力を会社から評価されるようになり、ポジションチェンジした人もいますよ。
アコ
ぶっちゃけ素晴らしいお話ばかりで・・・
パラレルキャリアをやらないと損な気がしていますが、
念のため、どんなことが大変とかありましたら教えてください。
美宝さん
最初は時間管理が大変でしたね。
本業との両立が大変でした。
プライベートなんて皆無です。
アコ
そうですよね。
フルタイム勤務をこなすだけでも、毎日大変ですものね。
美宝さん
だけどすごく充実していて。
忙しいけれど、本当に充実するんですね。
それで本業以外への気持ちが大きくなって、独立してしまいました。
アコ
忙しさや時間管理の大変さがあっても、代え難いほどの充実があるのですね☆
アコ
なんでも向き不向きってあるじゃないですか。
こんな人はパラレルキャリアに向いてるってありますか?
美宝さん
自分自身でバランスが取れる人は向いてますね。
時間管理や自己管理が出来る人はパラレルキャリアに向いてます。
アコ
では向いてない人って?
美宝さん
その逆で自己管理ができない人ですね。
なんでも先延ばしにしてしまうとか、時間を守れないなど。
それから、今の会社に満足して成果が出ている人や、好きを仕事に出来ている人は必要ないかもしれません。
パラレルキャリアは魅力的な考え方ではありますが、向き不向きもあり、必要・不要もあります。
会社が計画や管理をしてくれない分、美宝さんがおっしゃる通り自己管理が大きなカギとなりますね。
パラレルキャリアを実践していくにあたり、いくつか注意しておいた方が良いことがあります。
特に「収入」を得ようとする場合や会社でSNSの利用が制限されている方は十分に気を付けてくださいね。
起業初期は、広告料などをかけることが難しいということもあり、SNSを使った活動を軸にしていく場合があります。
副業OKの会社でしたら何の問題もありません。
しかしながら、会社に内緒でパラレルキャリアに取り込もうとする場合、顔写真を使ったり、本名でSNSに登録してしまうとすぐに会社にバレてトラブルになってしまう場合もあります。
アコ
これって具体的にはどんなことに気を付ければよいでしょうか?
美宝さん
本名ではなくビジネスネームを使ったり、
顔が分からない写真を使った方が良いですね。
顔が分からなくても、雰囲気を伝えることは十分可能です。
実際に収入が入ってくるようになると、確定申告が必要になります。
具体的には年間20万円以上の収入になった場合は、確定申告が必要になります。
そうすると、年間の所得が増えて翌年の住民税の金額が、会社の給与水準と辻褄が合わなくなります。
副収入が会社にバレしてしまうのは、このケースが多くなっています。
対策としては住民税を会社の給与天引きの「特別徴収」から「普通徴収」へ変更すればOKです。
しかしながら大企業の場合は切り替え不可の場合がありますので、注意が必要です。
心配な場合は、税金に詳しい専門家に相談しておきましょう。
アコ
いやー自己管理か。
苦手な人って多いですよね。ワタシモデス。
会社に不満があっても、もう一つの仕事を持つって大変そうだし、
行動できる人は少ないのでは?
美宝さん
そうですね。
ただ、あまりのんびりもしていられないと思いますよ。
アコ
え?本当ですか?
それは一体・・・?
時代はAIによる自動化が進み、仕事の数が減りつつありますよね。
また、それと共に自分の年齢は上がり、仕事を選べる選択肢少なくなっています。
美宝さん
パラレルキャリアって、今すぐ始めたとしても、今すぐ成果が出るものではないので。
アコ
確かに!
準備も助走も必要ですよね。
美宝さん
今はまだ取り組んでる人も少ないからチャンスだと思いますね。
4~5年も経ったらみんな「やらなくちゃ」ってなってる可能性があります。
でも今始めておいたら、4~5年後には形になっているので。
アコ
必要に迫られる前の準備が重要ってことですね。
実際にやっておけることは・・・?
美宝さん
情報が入ってくる場に身をおいておくとか、
一歩でも会社の外に出て、外の世界で人脈を作っておくことは重要ですね。
アコ
例えばですが、美宝さんが主宰されている「パラレルキャリア推進委員会」の「エールプロジェクト」などは、
情報が入ってくる場所ですよね。
美宝さん
もちろんです。
300名以上の女性が参加しています。
キャリア・子育て・美容・起業・マネー・恋愛など働く女性の人生を彩り豊かにするための有益な情報発信や交流をしていますよ。
アコ
私も最近参加させて頂きましたが、毎日有益な情報が配信されていますよね。
こんなに充実しているのに、無料なんて信じられないですね。
美宝さんの「たくさんの人にパラレルキャリアについて知って欲しい」という願いがとても伝わってきます。
美宝さん、大変参考になるお話をたくさんしていただきましてありがとうございました。
私自身、エンジニア・転職エージェント・ライター・保護犬ボランティアのパラレルキャリアを歩いています。
確かに人脈が広がり、会社だけでは得られなかったコミュニケーション能力が身に付きました。
また、この時代、何が起こるか分からないし失業の危機は常にあると思います。
でも、収入になるものが複数あると、一つコケても問題ないという心の安定感は半端ないですね。
みなさんもこれをきっかけに、パラレルキャリアというものについて、まずは情報収集から初めてみてはいかがでしょうか?
新卒で入社した会社を10か月で退職。
リゾートバイトや会員制ホテル、人材派遣・紹介会社勤務を経て、インフラエンジニア18年。
一部上場企業でマネージャーやってました。
プライベートでは犬にどっぷりハマり、保護活動(預かりボランティア)にゆるく参加。
8年間で預かって生活を共にした保護犬は45頭。
今の会社に長年勤めているイメージが持てず、そこから脱出したいと考えている人達です。
転職を視野に入れていたり、起業出来たら良いなと考えていたりします。
会社にも仕事にも不満はない人達です。
会社では活かせないことを空いた時間で活かしていきたいと考えています。