・ランペップとは
・ランペップと亜鉛、マカとの相乗効果についての研究内容・データ
・ランペップを購入する際の注意点
栄養の補充だけでなく、精力増強効果としても注目を集めているランペップ。
ぺプチアやレッドドラゴンといった有名な精力剤にも配合されています。
また、精力増強効果があるとされる亜鉛やマカと合わせることによって、更に強い精力状況効果が発揮されるという研究も報告されています。
男性は、いざという時の手段の一つとしてランペップをしっかり把握しておくべきかと。
そこで本記事では、ランペップについて詳しくなれるよう、ランペップについて徹底的に解説しました。
男性は必読です。
ランペップとは、鶏卵の白身を酵素分解したペプチド(タンパク質を細かくぶつ切りにしたもの)のことです。
もともと卵は必須アミノ酸を多く含んでいることから、「精がつく」ということで注目を集めていましたが、その中でも特に卵白には必須アミノ酸が多く含まれています。
アミノ酸スコアも100と高く、まさに理想のタンパク源といわれています。
アミノ酸スコア
食品タンパク質の第一制限アミノ酸含有量(mg/gN)÷アミノ酸評定パターン当該アミノ酸含量(mg/gN)×100
また、精力剤の成分としてよく用いられるアルギニンも多く含まれており、血管拡張、血行促進作用の報告も上がっています。
卵白100mgあたりのアミノ酸含有量
アミノ酸 | 含有量(mg) |
トリプトファン | 125 |
トレオニン | 449 |
イソロイシン | 661 |
ロイシン | 1016 |
リシン | 806 |
メチオニン | 399 |
シスチン | 287 |
フェニルアラニン | 686 |
チロシン | 457 |
バリン | 809 |
アルギニン | 648 |
ヒスチジン | 29 |
アラニン | 704 |
アスパラギン酸 | 1220 |
グルタミン酸 | 1550 |
グリシン | 413 |
プロリン | 435 |
セリン | 798 |
Wikipediaより
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%83%E3%83%97
このように、卵白はたんぱく源として優秀で、かつ血行促進作用から勃起力を強化する働きも見込まれています。
そのメカニズムはこの後詳しく説明しますが、精力増強を目的に卵が愛用されているのは事実です。
そしてランペップは、その卵白を酵素でぶつ切りにし、より吸収されやすくしたものなのです。
「吸収されやすいとはいえ、わざわざランペップを買わなくても卵をたくさん食べればよいのでは?」
と考えられた方、半分正解です。
ランペップが開発されたのは2003年ですが、この頃、卵黄に含まれるコレステロールが体に悪いということで、卵は一日1つまでというのが通説になっていました。
しかし、その後研究が進み、食事でコレステロールを摂取しても、体に悪影響はないということが判明。
むしろ卵はたくさん食べるべきということが分かりました。
ランペップはコレステロールを含まないタンパク源として優秀でしたが、コレステロールを食べても問題ないのであれば、吸収率が下がるとはいえ、卵をたくさん食べても同じことでしょう。
しかし、ランペップにはもう一つの効果がることが、2013年に株式会社ファーマフーズの研究によって明らかになりました。
それが、マカや亜鉛と相乗効果を生み、勃起力をさらに強めるという効果です。
マカや亜鉛といえば、精力剤の成分として頻用され、単体でも勃起不全の改善効果が見込まれるものとして有名ですが、それらとランペップを合わせることで、より強力な効果を発揮しうるというのが、ファーマフーズの特許に記されています。
ただ、これを説明する前に、勃起のメカニズムを知っておく必要があります。
もう知ってるよという方は、次の章を飛ばしていただいて構いません。
勃起は、以下のメカニズムで起こっています。
↓脳が性的興奮を覚えることでアルギニンが分泌
↓アルギニンが陰茎の一酸化窒素合成酵素(NOS)に作用して一酸化窒素(NO)が分泌
↓一酸化窒素に反応してcGMPが産生
↓cGMPが陰茎の平滑筋を弛緩
↓陰茎海綿体に血液が流れ込む
↓勃起 cGMPの産生に反応してPED5が産生
↓PED5がcGMPを分解
↓勃起が収まる
つまり、アルギニン、一酸化窒素、cGMPが増えるほど勃起しやすく、
逆にPED5が増えるほど勃起が収まりやすいのです。
バイアグラなどに代表されるED治療薬は、PEDが作られないようにすることで、勃起した状態を維持できるように作られています。
そして今回注目してほしいのは、一酸化窒素(NO)が作られる部分です。
一酸化窒素が増えると陰茎海綿体に血が流入し、勃起します。
つまり、一酸化窒素を増やすことができれば、勃起力が上がるということです。
そして、ランペップは一酸化窒素を増やすということが、ファーマフーズの研究で分かっているのです。
ランペップは、一酸化窒素合成酵素に働きかけて、一酸化窒素を合成させることが分かっています。
ただし、ランペップの何が一酸化窒素合成酵素に働きかけているのかまでは分かっていません。
分かっているのは、ランペップを使うと、一酸化窒素合成酵素からの一酸化窒素産生が促進されるということだけです。
このことを明らかにしたのは、株式会社ファーマフーズ。
ファーマフーズが取得した特許(特許5383549)によると、卵白の加水分解を7種類の酵素で試したところ、使用した酵素によって一酸化窒素産生効果が2~9.5倍とばらつくことが確認されています。
また、市販の卵白酵素分解物(商品名「卵白ぺプタイドEP-1」、キューピー株式会社)に至っては、ほとんど一酸化窒素促進活性を有していませんでした。
したがって、卵白を加水分解したものが何でもランペップになるわけではないようです。
ちなみに、ファーマフーズでは、最終的に5種類の酵素を順番に反応させる方法で、ランペップを作成していました。
用いた酵素と添加順序、添加量、反応温度、反応時間は以下になります。
添加順序 | 酵素 | 添加量 | 反応温度 | 反応時間 |
1 | パパイン | 250mg | 60℃ | 1.5時間 |
2 | トリプシン | 40mg | 60℃ | 1時間 |
3 | プロテアーゼS「アマノ」G | 125mg | 60℃ | 1時間 |
4 | プロテアーゼN「アマノ」G | 80mg | 60℃ | 1時間 |
5 | ペプチダーゼR | 40mg | 40℃ | 4時間 |
参照:特許5383549(https://www.j-platpat.inpit.go.jp/p0200)
この処理でできた卵白加水分解物を、一酸化窒素合成酵素(eNOS)を安定的に発現させた細胞株に対して処理したところ、卵白加水分解物を加えていないもの(コントロール)と比較して、500μg/mlで2.1倍、500μg/mlで3.3倍の一酸化窒素が産生されることが確認されました。
参照:特許5383549(https://www.j-platpat.inpit.go.jp/p0200)
そしてここからが本番。
この卵白加水分解物に、一酸化窒素産生促進効果があるとされる様々な成分を掛け合わせて、一酸化窒素がどのように増えるのかを調べてみました。
卵白加水分解物と組み合わせたのは亜鉛、マカ粉末、トンカットアリエキス粉末、エゾウコギ粉末、ガラナ粉末、シトルリンで、以下の組み合わせで試験を実施しました。
サンプルNo. | サンプルと添加濃度 | サンプルNo. | サンプルと添加濃度 |
コントロール | PBS(-) | 26 | 卵白加水分解物:1000μg/ml 塩化亜鉛:10μg/ml マカ粉末:1000μg/ml |
11 | 塩化亜鉛:1μg/ml | 27 | 卵白加水分解物:1000μg/ml |
12 | 塩化亜鉛:10μg/ml | 28 | トンカットアリエキス粉末:1000μg/ml |
13 | 塩化亜鉛:100μg/ml | 29 | エゾウコギ粉末:1000μg/ml |
14 | 卵白加水分解物:1000μg/ml | 30 | ガラナ粉末:1000μg/ml |
15 | 卵白加水分解物:1000μg/ml 塩化亜鉛:1μg/ml |
31 | 卵白加水分解物:1000μg/ml トンカットアリエキス粉末:1000μg/ml |
16 | 卵白加水分解物:1000μg/ml 塩化亜鉛:10μg/ml |
32 | 卵白加水分解物:1000μg/ml エゾウコギ粉末:1000μg/ml |
17 | 卵白加水分解物:1000μg/ml 塩化亜鉛:100μg/ml |
33 | 卵白加水分解物:1000μg/ml ガラナ粉末:1000μg/ml |
18 | 卵白加水分解物:500μg/ml | 34 | シトルリン:100μg/ml |
19 | 卵白加水分解物:1000μg/ml | 35 | シトルリン:1000μg/ml |
20 | マカ粉末:500μg/ml | 36 | 卵白加水分解物:1000μg/ml |
21 | マカ粉末:1000μg/ml | 37 | 卵白加水分解物:1000μg/ml シトルリン:1μg/ml |
22 | 卵白加水分解物:1000μg/ml マカ粉末:1000μg/ml |
38 | 卵白加水分解物:1000μg/ml シトルリン:10μg/ml |
23 | 卵白加水分解物:1000μg/ml マカ粉末:500μg/ml |
39 | 卵白加水分解物:1000μg/ml シトルリン:100μg/ml |
24 | 卵白加水分解物:500μg/ml マカ粉末:1000μg/ml |
40 | 卵白加水分解物:1000μg/ml シトルリン:1000μg/ml |
25 | 卵白加水分解物:1000μg/ml マカ粉末:1000μg/ml |
参照:特許5383549(https://www.j-platpat.inpit.go.jp/p0200)
●亜鉛×卵白加水分解物
亜鉛のみを添加した場合でも、10μg/ml(No.12)添加したところで一酸化窒素産生量が2.3倍に増えた。
卵白加水分解物のみを添加した場合、一酸化窒素産生量がが3.2倍に増えた。
よって、亜鉛と卵白加水分解物の両方をくらえたら、2.3+3.2=5.5倍になるはずだが、実際のところは8.9倍まで跳ね上がった(No.16)。
また同じように、亜鉛1μg/mlと卵白加水分解物を同時に加えた場合でも、それぞれ単体での効果を加算した値よりも高い結果が得られたことから、亜鉛と卵白加水分解物には相乗効果があることが分かりました。
参照:特許5383549(https://www.j-platpat.inpit.go.jp/p0200)
●マカ×卵白加水分解物
500μg/mlのマカ粉末で2倍、1000μg/mlで4倍の一酸化窒素が産生されるようになりましたが、そこにさらに卵白を1000μg/ml加えることで、相乗効果的に一酸化窒素産生量が増えました。
相乗効果を生むには、マカ:卵白加水分解物が1:2、もしくは1:1であることが必要なようです。
参照:特許5383549(https://www.j-platpat.inpit.go.jp/p0200)
●亜鉛×マカ×卵白加水分解
マカ:卵白加水分解物をそれぞれ1000μg/ml、1:1で処置したものと比べ、ここにさらに、10μg/mlの亜鉛、つまりマカ:卵白加水分解物:亜鉛を100:100:1で処置することで、相乗効果的に一酸化窒素産が促進されました。
参照:特許5383549(https://www.j-platpat.inpit.go.jp/p0200)
●トンカットアリ×卵白加水分解物 / エゾウコギ×卵白加水分解物 / ガラナ×卵白加水分解物
トンカットアリ及びエゾウコギは、単体で一酸化窒素の生成量を増加させた。
しかし、卵白加水分解物を加えて相乗効果が見られたのはエゾウコギのみでした。
ガラナには一酸化窒素の生成量に影響を与えませんでした。
参照:特許5383549(https://www.j-platpat.inpit.go.jp/p0200)
●シトルリン×卵白加水分解物
シトルリンは単体でわずかに一酸化窒素の生成を促進させたが、卵白加水分解物との相乗効果は認められなかった。
あ
参照:特許5383549(https://www.j-platpat.inpit.go.jp/p0200)
●結論
卵白加水分解物は、単体で一酸化窒素産生促進作用が認められたが、亜鉛、マカ、エゾウコギと組み合わせることで相乗効果的に一酸化窒素産生促進作用が高まる。
特に、卵白加水分解物:マカ:亜鉛を100:100:1で配合すると、非常に高い相乗効果が期待されます。
ただしこの実験は、細胞レベル、つまり人が摂取した結果を表したものではないことは留意しましょう。
卵白加水分解物、マカ、亜鉛には一酸化窒素産生促進効果、つまり精力の向上が見込まれることは確かですが、実際に人が摂取した場合は、その他の要因が複雑に絡み合うため、人によっては効果を実感できない可能性も否定はできません。
ランペップ、つまり卵白の加水分解物は、市販で売られています。
しかし、ファーマフーズの研究で判明された通り、同じランペップでも一酸化窒素産生が促進されるものとされないものがあるため、精力アップを目的としていないランペップを購入すると、思うような結果にならない可能性があるため注意が必要です。
もし、ランペップを試してみたいのであれば、ランペップを含む精力剤を選ぶことをお勧めします。
ランペップの適度な摂取タイミングは報告されていませんが、基本的に日常的に摂取すべきものなため、食後に摂っておくのがベストです。
ランペップは卵白を酵素で加水分解したものであり、一酸化窒素生成促進作用による精力増強が見込まれるものです。
さらに、ランペップ:マカ:亜鉛を100:100:1にすることで、一酸化窒素の生成を相乗効果的に促進させることが可能です。
一点、注意が必要なのは、ランペップを作る際に使う酵素を何にするかによって、一酸化窒素生成促進作用が多く変わるということ。
中には全く一酸化窒素生成促進作用を示さないものもあるので、精力増強を目的としていない市販のランペップを購入するのはリスクがあります。
精力を増強させるには、ランペップを含む精力剤を使用するようにしましょう。
趣味:バドミントン、読書
もともと生物系の研究をやっていたことがあり、健康は栄養からというのを信じてやまない。
栄養を重視したダイエットで、1ヵ月で6kg減に成功。