▼自己肯定感を高めると誤解されていること
— 恋愛プロフェッショナル 川口美樹 (@kawaguchi_AAA)July 6, 2018
1:自分磨き、2:成功体験、3:親の愛情。
それらで高まるのは自己肯定感ではなくセルフイメージ。自己肯定感は失敗や挫折などの経験を「認めていく」過程で養われるもの。
挑戦→失敗・挫折→許可→自己肯定→再挑戦→実績→セルフイメージの順番です。pic.twitter.com/Zkys0ze3Ix
川口
記事をご覧くださり、本当にありがとうございます。
この記事にたどり着いた方はきっと、
などなど、自分の自己肯定感を高めたいとは思いながら、どうにもならない現実に困っている方が多いのではないかなと思います。
「自己肯定感」という言葉は、人によって様々な解釈があり、学術的な定義もハッキリしていないため、とても誤解を招きやすい言葉です。
それゆえ、自己肯定感とはなんぞや?を間違って理解してしまい、正しい自己肯定感の高め方を実践できていない、ということがよくあります。
川口
例えば、自己肯定感を高める方法について、こんな意見を聞いたことがありませんか?
あなたは、これらのアドバイスを見て「だからそれができないんだって・・・」とガッカリしてしまったことはありませんでしたか?
これらは全て「自己効力感」や「自信」を養うためのワークであり、「自己肯定感」を高めるためのワークとしては不適切です。
むしろ自己肯定感の低い人が実践してしまうと、「自己肯定感を高める努力すらできない自分」を責めてしまい、自己肯定感を高めるどころか、余計に下げてしまうことにすらなりかねません。
そうなの!?全部やろうと頑張ってたよ!?
と思ったあなたへ。僕は何人もの人の相談に乗ってきて、その反応を何度も見てきました。
そして、その「誤解」こそがこの記事で伝えたい重要なポイントでもあります。
僕もこれに騙されて、なかなか自己肯定感を上げられなくてとても苦労しました。
川口
自己肯定感とは何か?全てはその正しい理解から始まります
そして、この記事を読み進める前に次の3つの前提を理解してください。
この前提を理解することが、自己肯定感を高めることにつながります。
それでは、早速中身に入っていきましょう。
このページの目次
川口
まず、上の図をご覧ください。
この図はこの後の内容を理解するために非常に大事な図になります。
この図を見れば、
が見えてきます。
最初にこの図から理解してほしいことは次の3つです。
パッと見なにが書かれているかわからないと思いますが、順を追って丁寧に説明していきますので、安心してくださいね。
まず最初に、自己肯定感と自信(≒自己効力感・自己有能感)との違いを説明していきます。
繰り返しになりますが、これらの言葉の定義は研究者によってマチマチで、「コレ」という定義が決まっているわけではありません。
そこでこの記事では、
「ありのままの自分を受け止め,自己の否定的な側面もふくめて,自分が自分であっても大丈夫という感覚」
ー引用元『特別支援教育大事典』(旬報社 2010)より
という定義を採用します。この「否定的な側面もふくめて」という箇所がポイントです。
「自己肯定感は自分のことが嫌いでも持つことができる」んだということを知ってください。
そして同時に、自己肯定感を持つために『自分を好きになる・短所を長所に変える』のは有効な手段でないということを理解してください。
一方の自己効力感は、提唱者のカナダ人心理学者アルバート・バンデューラによれば
自分がある状況において必要な行動をうまく遂行できると、自分の可能性を認知していること
とされています。これがいわゆる『自信』のことですね。
あなたが何か物事に取り組む前に「私ならできる」と思えているのであれば、自己効力感があるということです。
この『自信』を自己肯定感や自尊感情(=自尊心)とごっちゃにして語る文脈が多いために、混乱が起きてしまっているのです。
そこでこの記事では、情報を整理しそれぞれの概念を理解するために、「自尊心(セルフイメージ)=自己肯定感+自己効力感」であると定義します。
つまり、
の2つが合わさって、「わたしは素晴らしい」という自尊心を持てる、ということです。
もちろんこの定義には反論もあるかと思います。
ただ、僕個人のカウンセリング経験から、この定義で理解した方が結果的に自己肯定感が高められる人が多かったので、学術的な是非はともかく、「実用的である」という点を優先し、この定義を用いて解説を進めて行きたいと思います。
次に整理したいポイントは、自己肯定感を形成する要因と低くなってしまう原因についてです。
この章では、
ことついて解説していきます。
自己肯定感の定義が終わったところで、もう一度この図を見てください。
自己肯定感が上がるか下がるかの分岐点が「事実に対する解釈・認知」にあるということが示されています。
「解釈・認知」は簡単に言えば、「事実を自分がどのように受け取ったか?」ということです。
例えば、学内の学力テストで3位になった子が
3位とかやばい!超嬉しい!
とポジティブに受け取るのか、
また1位になれなかった・・・
とネガティブに受け取るか、その受け取り方の違いによって、自己肯定につながるのか自己否定につながるのかが別れてしまう、ということです。
学内で3位の成績であるという事実は一緒なのに、その事実に対する受け取り方で自己肯定感が変わってしまうのです。
そして、あなたの低い(とあなた自身が認知している)自己肯定感は、これまでの人生でいつの間にか染み付いてしまった「自分に対する受け取り方」が原因になっているのです。
そしてその自分に対する受け取り方は、ほとんどの場合幼少期の体験によって左右されます。
自己肯定感は親子関係に大きく影響を受ける、という意見は様々な研究に見られます。
両親からのソーシャルサポートについて,いずれのサポートの種類においても肯定感が高い中学生の方がサポート量が多いと知覚していることが示された。親 離れの時期にあるとは言え,中学生にとって両親からの関わりが自他への肯定感にとって重要なものであることが確認された。
幼少期は、自分に対する認知をコントロールする術を持たないため、基本的には周囲からの評価がそのまま自分への評価になります。
テストの例で言えば、子どもの学力テストの成績に対する「親の受け取り方」がそのまま「子どもの受け取り方」になる、ということです。
▼親の反応で子どもの自己肯定感が変わる事例
ある家庭では、子どもが60点の点数を取った時に
前回50点だったのに10点もアップしたんだ!頑張ったね!
と「できたこと」に焦点を当てて会話をします。
一方別の家庭では、子どもが80点の点数を取った時に、
前回は95点だったのに、今回は良くないね
と「できなかったこと」に焦点を当てて会話します。
前者の場合、子どもは「できた」イメージを自分につけますが、後者の場合、「できなかった」イメージを自分につけます。
どっちが子どもの自己肯定感につながるのか、聞くまでもありませんよね。
それゆえ、子どもを否定的な眼差しで見るいわゆる「毒親」のもとで育った子どもは、比較的自己肯定感が低くなる傾向にあります。
しかし、毒親育ちでも自己肯定感を高めることはもちろん可能です。
毒親育ちでも自己肯定感を高められた人は、人生のどこかのタイミングで、自分に染み付いた「マイナスの受け取り方の呪縛」を振りはらい、「プラスの受け取り方」を身につけた人なのです。
ところであなたは、日本人が諸外国に比べて自己肯定感が低い国民である、ということを知っていましたか?
日本の若者は、諸外国の若者と比べて、自分自身に満足していたり、自分に長所があると感じていたりする者の割合が最も低く、また、自分に長所があると感じている者の割合は平成25年度の調査時より低下していた。
ー引用元『令和元年版 子供・若者白書』
これにはいろんな原因があると思いますが、僕は一番根本の原因は「減点主義」の義務教育にあると考えています。
現在の教育では”100点”を一番上においた序列が形成されていくため、「バツをもらいたくない」「間違えたくない」という思考が強化されやすくなります。
「間違い」は、親という一番承認してもらいたい存在からの承認を遠ざけることにつながります。
そこで義務教育を受けた子どもの多くは、親が期待した通りの
子どもに育ってしまうのです。
このようにして日本の「100点が一番えらい主義」の義務教育は、「私の否定的な面も含めて、自分が自分のままであっても大丈夫」という自己肯定感を培う機会を多くの子どもたちから奪っているのです。
では、自己肯定感が低いままだと何が問題になってしまうのでしょうか?
自己肯定感が低いと、様々なデメリットが生じてしまいます。
図の下半分に目を向けてみてください。そのデメリットによる負のスパイラルが見えてくるはずです。
自分に対する解釈・認知がマイナス評価になると、まず自己否定感が強まります。
といったイメージが自分にインストールされるため、その「うまくいかないイメージ」のまま何かに挑戦する(学業や恋愛、仕事などにおいて新しいことに取り組む)ことになります。
当然その挑戦は、狙った通りにはならず未達成に終わることが多くなります。
すると周囲(親や友達・上司など)の評価が下がるため、その影響受けてまたセルフイメージが悪くなります。
セルフイメージが低くなると、「うまくいかない前提」で物事に取り組んでしまうようになるので、当然「何をやってもうまくいかない」状態に晒されることになります。
そしてそれらは当然、人生の中で大きな比重をしめる恋愛や仕事、それにひもづく人間関係にも大きな悪影響を及ぼします。
こういった、デメリットを見ると、地位や実力のある人が必ずしも自己肯定感が高いわけではない、ということもよくわかると思います。
一見自信満々のように見えても自己肯定感が低い人は、ものすごくたくさんいるのです。
「仕事では成功していても家庭はボロボロで別居状態」、なんて例は枚挙にいとまがないですし、「モテモテのイケメン・美女でも実は孤独を抱えて自己否定感を強めている」なんて事例はザラにあります。
それくらい自己肯定感は「なくて当たり前」の状態になってしまっているのが、この日本であるともいえるでしょう。
そうしてなんども未達に終わることを繰り返すと、「何をやっても無駄」「努力する意味なんてない」という思い込みが強まります。
これを学習性無力感といいます。
学習性無力感(がくしゅうせいむりょくかん、英: Learned helplessness[1])とは、長期にわたってストレスの回避困難な環境に置かれた人や動物は、その状況から逃れようとする努力すら行わなくなるという現象である。
ー引用『Wikipedia』より
そして自己否定感と学習性無力感の負のループが繰り返されることで、自尊心がどんどん悪化していきます。
これを放っておくと、最悪のケース、ブラック企業で身体壊れるまで働き続けてしまったり、モラハラの呪縛から逃れられなくなり鬱になったりすることにさえなりかねません。
「事実をどう解釈・認知するか」が人生の及ぼす影響がいかに大きいのかよくわかったのではないかと思います。
実際に臨床心理の世界では、この「認知」を変えることで精神病を治療する「認知行動療法」の分野が確立されているほどです。
認知行動療法では、自動思考と呼ばれる、気持ちが大きく動揺したりつらくなったりした時に患者の頭に浮かんでいた考えに目を向けて、それがどの程度、現実と食い違っているかを検証し、思考のバランスをとっていきます。
ー引用元:国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター『認知行動療法とは』
川口
裏を返せば「解釈や認知を変えることで自己肯定感はあげることができる」のです。
問題は「あなた」ではなく、あなたの「思考」にあるんですね。
川口
この図に対する理解度がだいぶ深まってきたのではないでしょうか?
次は、自己肯定感を高める上で最もネックになる「完璧主義」について話しましょう。
完璧主義に陥るの一番のデメリットは「挑戦するのが怖くなる」ことです。
自己肯定感をあげるには、「挑戦」をし、その結果をどう受け止めるのか?の解釈・認知を変える訓練を積む必要があります。
しかし、完璧主義に陥り挑戦ができなくなると、その解釈や認知を変える機会にも恵まれなくなります。
ですから、自分の中に完璧主義が出てきたときには徹底的に潰しにかからないといけません。
例えば会社でプレゼン資料を作ることになったとしましょう。
このとき完璧主義の人は、途中の過程を一切上司に見せずに、一週間かけて丹精込めて作ったものを提出しようとします。
しかしこれではチェックが入るのが遅くなり、修正に時間がかかり、より高いプレゼンを発揮することができません。
もし完璧主義をやめて仕事に取り組むことができれば
一週間後に上がるプレゼン資料はかなり磨きのかかったものになります。
恋愛でもこのようなことはよく起こります。
完璧主義の人は、「恋愛で傷つくことを極端に恐れている」ために、出会いから「自分を無条件に愛してくれる人」を探してしまうため、デートに行く回数や異性とお付き合いをする回数が極端に少なくなります。
仮にお付き合いできたとしても、自分にも相手にも「完璧」を求めるので、相手の反応にイライラし、そんな自分の対応に嫌気がさし、どんどん自己嫌悪に陥っていきます。
完璧主義でいることによって、自己否定感や学習性無力感がどんどん膨らんでいき、何も挑戦できなくなってしまうのです。
完璧主義を卒業するためには、以下のようなことを知ることから始まります。
自己肯定感の研究で有名な心理学者のブレネー・ブラウンは、その著書のなかで次のように述べています。
完璧主義は、一見「最大のパフォーマンスを出そうとしている向上心」のように見えますが、実際は「自分が賞賛されたいだけの極めて利己的な欲求」でしかないのです。
川口
この本は、自分の心の弱さに気づき、向き合うためにとても役立つのでとてもオススメですよ。
日本人は『減点主義』の教育に毒されてきてしまったため、「最初から100点を取りにいく」完璧主義の呪縛からなかなか逃れられません。
「最初から100点を狙って」物事に取り組んでしまうと、「30点しか取れなかった」と自己評価を下げることにつながってしまうのです。
そこでまずは「10点でもいいからまずはテストを受ける」という習慣を自分の中に作ることがとても大事です。
失敗する前提で始めているので、失敗しても大した傷を負いません。むしろ「30点も取れた」ことに嬉しく思うことさえあるでしょう。
「まずやってみる」という習慣を身につけると、改善のスピードが早まり、結果的に高いパフォーマンスを出せるようになるので、最終的には自己肯定感も自己効力感も高まっていきます。
とはいえ、「それでも30点だったら周囲からなんと言われるか・・・」が怖くて、「まずやってみる」ことができない、という人もいるでしょう。
ではその「まずやってみる」一歩を踏み出すためのコツをお伝えしましょう。
繰り返しになりますが、自己肯定感を高める方法として、以下のものを実践するのは意味がありません。
これらは、自己肯定感をある程度養った人が、自己効力感を高めるためにやるからこそ意味をなすものです。
そこでこの記事では、あくまでも「自己肯定感を高める」ために必要なことをお伝えしてきたいと思います。
その中で、最初の一歩としてオススメしているのが、課題を分離する=他人への期待をやめるということです。
課題の分離をすることで、他者評価に左右されない精神性を養うことができるようになり、結果として完璧主義を手放すことにつながるのです。
そもそも完璧主義の根本は「他人から認められたい・評価されたい」という承認欲求にあります。
承認欲求を埋めようと思えば思うほど、行動の動機が「褒められたい」もしくは「罰せられたくない」に絞られてしまい、常に他者評価を気にした行動しか取れなくなります。
それはつまり、「自分らしい生き方」を選択できなくなるということです。
だからこそ、他人の承認や評価を必要する承認欲求を手放すことが重要です。
あなたは、親のためでもなく、恋人のためでもなく、上司のためでもなく、あくまでも自分のために生きることができるのです。
『課題の分離』とは、心理学者のアルフレッド・アドラーが提唱した考え方です。
課題を分離する、ということはすなわち、他人が『どう感じるか、どう行動するか』に関しては一切の介入をしない、ということです。
▼恋人同士が課題の分離をした事例
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例えば、仕事が忙しくてなかなか連絡をくれない彼氏に対して、不満や不信感・寂しさを感じている彼女がいたとします。
彼女はこの時、彼氏に対して
彼女
もっと連絡してよ!構ってよ!
と命令をしてはいけません。なぜなら、
彼氏
恋人に対してどのくらいの頻度で連絡するのか?
は完全に彼氏の自由であり、彼氏の課題だからです。
同様に彼氏はこの時、彼女に対して
彼氏
自分が連絡を頻繁によこさなくても不安を感じないように!
と命令をしてはなりません。なぜなら、
彼女
恋人からどのくらいの頻度で連絡をもらいたいと感じるのか?
は完全に彼女の自由であり、彼女の課題だからです。
そこで「課題の分離」をする必要が出て来ます。
========
彼女の立場からすれば、彼の課題に踏み込むことはできないので、
彼女
彼氏からの連絡がなくても不安にならないようにするぞ
という課題に集中することになります。
彼氏の立場からすれば、彼女の課題に踏み込むことはできないので、
彼氏
彼女が不安にならないような接し方をするぞ
という課題に集中することになります。
結果として、彼氏は彼女が不安にならないようにするし、彼女は連絡がなくても不安にならないように努めるので、2人の問題は解決されることになります。
このように、どこまでが自分の課題で、どこまでが相手の課題なのかを切り分け、自分の課題にのみ集中することで、他者からの承認欲求を求める生き方から脱することができるようになります。
川口
課題の分離の習得にはある程度の練習回数が必要です。
ただし、一度できるようになると自己肯定感が爆上がりします。
ここで「課題を分離するなら、自分にとって不快なことも我慢しないといけないの?」という疑問が思い浮かぶと思います。
結論から言えば、「不快なことを我慢するかしないか」をあなたの課題として決めれば良いのです。
例えば自分に嫌がらせをしてくる職場の先輩がいたとしましょう。
この時、「嫌がらせをやめてもらうかどうか」の課題は自分にあります。
やめてもらうのだとしたら
などの様々な選択肢が考えられますよね。
それをきちんと実行して、「自分の不快なことには明確なNO」を提示し自己主張をすることが大事です。
しかし最終的に「嫌がらせをやめるかどうか」は先輩の課題ですので、先輩がどうするかに対しての期待は捨てなくてはなりません。
このように課題を分離して、他人への期待をやめることで、人間関係の悩みの8割は解決します。
そもそもどうして私たちは、周囲の人の評価に一喜一憂してしまうのでしょうか。
それは私たちが「周囲の人が自分の思い通りに動いてくれることを無自覚に期待している」からです。
といった他人に対する期待を抱いているから、その期待が裏切られた時に、自分を必要以上に責めたり相手を必要以上に傷つけたりしてしまうのです。
反対に最初から「自分のことを承認・肯定できるのは自分しかいない」と期待値を下げておけば、周囲の反応に左右されることがなくなっていきます。
課題の分離をし、他者が「どう感じるか、どう行動するか」に左右されず、自分の課題に集中できるようになると、「他人から認められたい・評価されたい」という欲求が減っていきます。
同時に「人からどう思われるか?」という基準で行動をしなくなるので、完璧主義が弱まっていきます。
完璧主義が弱まれば、先ほどあげた「10点でもいいからまずはテストを受ける」という挑戦がしやすくなります。
『周囲の反応はコントロールできないものであり、自分の期待通りにはならないものである。だから自分の課題に集中しよう』
この思考を養うのに、課題の分離を人生に取り入れることは実用的でメリットがとても大きいのです。
また自己否定感や学習性無力感は、自分の挑戦に対しての他者評価に大きく影響を受けています。
そこで、他人への期待を排除することで他者評価から受ける影響を遮断して、事実を冷静に見つめることができれば、自分の解釈と認知のバージョンアップに集中することができるようになるのです。
自己肯定感を上げるためには「事実は変えられないが解釈や認知は変えられる」ということを強く意識する必要があります。
究極的にはどんなことが起こったとしても、その事実を「肯定的に」解釈することができます。
その物事の「肯定的な側面を見つけるクセ」をつけることで、自己肯定感は上がっていきます。
自己肯定感をあげていくための具体的な方法としては、
があります。一つずつ解説していきましょう。
挑戦には「傷つく可能性」がつきものです。もっと言えば「傷つくことのない挑戦などない」と言ってもいいでしょう。
そして自己肯定感は、「傷つく可能性への挑戦」なくして上がることは絶対にありません。
人間はそもそも、「傷つく可能性」を受け入れずして成長することができない生き物です。
筋肉も筋力以上の負荷をかけることによって増強されていきますし、免疫力も強い病原菌と戦うことによって強くなりますよね。
ですからメンタルも同様に、傷ついて当たり前のものですし、傷つかずして鍛えられることもありません。
あなたが自己肯定感を高めるようと思えば、「挑戦すること」は避けられないことであり、傷つく可能性に晒されることになります。
まずは、そのことを受け入れましょう。
完璧主義の人は、人に頼ること、HELPを出すことがすごく苦手です。
なんでも「自分1人で解決しなければならない」と信じ込んでいます。しかしそれは勘違いです。
あなたが大切な人に「1人で抱え込まずに頼って欲しい」と思っているように、あなたを大切に思っている人も「1人で抱え込まずに頼って欲しい」と思っているのです。
「人に迷惑をかけたくない」という思考は、助けを求める弱い自分と向き合わないための言い訳になります。
「人は迷惑をかけてなんぼ」という思考に変えて、困ったらすぐにHELPを出してどんどん頼りましょう。
そして、それに真摯に応じてくれる人が、あなたの本当の味方です。その人との関係を生涯大事にしてください。
とは言え「傷つくのが怖い」「傷つくとわかっていると萎縮して行動できない」という人もいるでしょう。
そういう人はストレスは敵ではなく味方であるという、ストレスそのものへの解釈・認知を変えると良いでしょう。
事実、『スタンフォードの自分を変える教室』で有名な心理学者のケリー・マクゴニガルは著書の中で、
と書いています。
ストレスも「解釈・認知」の仕方次第で、敵にも味方にもなることが、科学的にわかっているのです。
新しいことに挑戦する時に感じるストレスは、「結果を出すために体が準備を整えてくれている」と解釈することで和らぎます。
そして同時に、挑戦をするための勇気も与えてくれるようになるのです。
とは言え、挑戦した後には目標(狙った結果)への達成・未達成の現実が突きつけられます、
勇気を振り絞って告白しても振られることはあるし、相当準備して起業してもだいたい一度は貯金が底をつきます。
挑戦が未達に終わった時には、「できなかったこと」へ意識を向けるのではなく、「やったこと」や「できるようになったこと」、「今持っているもの・あるもの」に目を向けるようにしましょう。
そうやって、自分の解釈や認知のクセを矯正していくのです。
こんなストーリーを聞くと、「自分にはそんなチャレンジをする勇気すらない」と”解釈”してしまう人もいます。
そのあなたの脳内会話を支配しているのが、「頭の中の批判家」です。
これは自己否定感や学習性無気力が生み出した「悪魔」みたいなものだと思ってください。
この悪魔が日常的にあなたに、
批判家
お前は無能。何をしても無駄。幸せになんかなれやしないぞ。
と呪いをかけて来ているのです。
その悪魔がかけてくる呪いに気づき、その呪いをはねのけるように訓練をしていく必要があります。
例えばこんな感じです。
批判家「お前は本当にドジだな」
あなた「どこかドジなの?」
批判家「いつも仕事でヘマばかりしている」
あなた「いつもってどのくらいの頻度?ヘマって具体的に何?」
批判家「週に1回は上司に計算ミスを指摘されている」
あなた「でも後の4日は問題なくやれているのよ。むしろ"いつも"うまくいっていて、"たまに"ヘマをするくらいね」
以下のツイートには、このような批判家との戦い方の例が載っているので、ツイートに飛んでコメントを読んで見てください。
自尊心が低いあなたの頭の中には批判家がいる。事あるごとにあなたを罵り、叱責し、人と比較させ、〜すべきという完璧主義を求め、達成しなければ落伍者の烙印を押す。自己肯定感を高めるためには、この批判家に対し「そうではない。私はここが素晴らしい、優れている」と論破しなくてはならない。
— 恋愛プロフェッショナル 川口美樹 (@kawaguchi_AAA)September 1, 2019
頭の中の批判家は、あなたに「こうすべき・こうあるべき」という思考を植えつけます。
批判家
そんなことしたら嫌われるぞ〜!自分らしさなんて出さないほうが身のためだ!
批判家
さっさと結婚しろ!親の悲しむ顔が見たいのか?なんて親不孝なやつだ!
批判家
友達もろくにできなくせに。コミュ障は黙っておけ!
・・・などいった「べき思考」が、あなたが「本当は心からしたい」と思っていることに蓋をしています。
もし、頭の中の批判家が自分に「〇〇するべきだ!」と投げかけて来たら、一旦冷静になって「本当はわたしはどうしたいの?」と自分自身に問いかけて見てください。
そして、「べき」よりも「したい」を選択してください。
批判家の言う「べき」より、自分の「したい」を選択するのは、自己肯定感の低い人からすれば相当「怖い」はずです。
しかし、その「怖いこと」に挑戦しないと自己肯定感は上がりません。
そしてその「怖いこと」に挑戦すると絶対に、自分自身の弱さと向き合うことになります。
でも大丈夫。
「できない自分・ダメダメな自分」を認め、決して背伸びをせず、できない自分・ダメな自分のまま、あなたが取り組まなくてはいけない課題に向き合いましょう。
その経験が自己肯定感を確実にあげてくれます。
ただし、挑戦できない自分を責めるのはNGです。
「今はトライできなくても大丈夫。いつかできるようになる。弱さに立ち向かおうとしている自分をまずは承認しよう」と口に出したり、紙に書き出したりしながら、「挑戦するためのエネルギー」を蓄えていきましょう。
最後まで読んでくださって、ありがとうございます。
あなたは、自己肯定感を高めるためにこの記事にたどり着き、最後まで読むという「挑戦」をした結果、どのような成果を得たでしょうか?
そしてその事実から自分に対してどんな「解釈・認知」をしたでしょうか?
自己肯定感について詳しく理解できた!
これなら自分でも自己肯定感を上げられそうだ!
とポジティブに受け取りましたでしょうか?
それとも
全然理解できなかった・・・
やっぱり私には自己肯定感を上げられないんだ
とネガティブに受け取りましたでしょうか?
もしあなたが後者の解釈をしたなら、冒頭の3つの前提を思い出して欲しいのです。
そう、この瞬間からあなたは完璧である必要はないんです。
繰り返しになりますが、問題は「あなた」ではなく、あなたの「思考」にあるのです。
あなたの頭の中の批判家はきっと今ごろ
批判家
ケケケ、結局今回もダメだったな!
お前に自己肯定感を上げることなんでできやしないんだよ!
と言っているのではないですか?
闘いましょう、その自分の「思考」と。
大事なことは、今この瞬間から解釈を変えることです。
無いものを見るのではなく、あるものを見つめて
彼女
こんなに長い文章を最後まで読んだもんね!すごいじゃん、わたし!
何度も読み込んで理解できたら、少しずつ「怖い」ことに挑戦しよう!
大丈夫、きっとできるわ。
と自分に言ってあげてくださいね。
それが、『ありのままの自分を受け止め、自己の否定的な側面もふくめて、自分が自分であっても大丈夫だ』と「自己を肯定する」ということなのですから。
最後までご精読くださり、ありがとうございます。
ご要望・ご質問などございましたらお気軽にお問い合わせください。
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